「旅」のことのはぐさ

タイトルの「ことのはぐさ(言の葉ぐさ)」とは話題のことです。旅の話題を幅広く掲載したいと思っています♪

【韓国・釜山】釜山から市外バスで世界遺産の街「慶州」へ

釜山旅行3日目は、5月5日子どもの日。韓国でも日本と同じく、5月5日は、子どもの日(オリニナル)として休日になっています。観光地に行ったら混むかなあ。ちょっと心配。

慶州市について

釜山から世界遺産で有名な慶州(キョンジュ)市へ1日トリップをします。慶州市は、朝鮮半島を歴史上、初めて統一した新羅王朝が都を置いた町です。

世界遺産の街として有名で、なんと一つの街に3つもの世界遺産があります。

韓国の京都と言われることが多いですが、実際に行って見た雰囲気では、「奈良」に近い。都が移ってから時を経ているため、町並みなどは失われ、石造りの遺跡が残るのみとなっています。最近は、少しずつ再建されているみたいですが、まだまだ小規模です。そこも含めて、奈良っぽいんです。

一番有名なのが、1995年に登録された、「仏国寺と石窟庵」、2000年には「遺跡が多く集まる慶州市一帯の「慶州歴史遺跡地区(大陵苑地区、月城地区、皇竜寺址地区、南山地区、山城地区)」が登録されます。そして、2010年には韓国伝統文化村として「良洞村」が認定されました。

今回は時間の関係で「仏国寺と石窟庵」に限って観光することに。

本当は、帰り道に慶州歴史遺跡地区で自転車に乗って見たかったのですが、残念ながら時間切れとなりました。途中にバスから見ていると、気持ちの良さそうな場所でした。1日で慶州を満喫するのは難しいです。不完全燃焼でした。

慶州歴史遺跡地区

f:id:hino0526:20170524121353p:plain

市内に点在する新羅王朝時代の遺跡が集中する5地区を登録したものです。現存しているのは、石仏や古墳のみですが、世界遺産登録を契機に公園としての整備や建物の復元がすすめられています。大陵苑地区は駅から徒歩圏内にあり、アクセスが簡単です。広々とした公園で、古墳群がいくつか見えました。慶州名物、皇南パンのお店のすぐお向かいです。

良洞村

慶州といいながも、市街地から20キロほど離れています。(バスで30分ほどでアクセス可能)安東(アンドン)の河回村と一緒に登録がされました。

両班(王朝時代の支配階級、しかし李氏朝鮮時代には半数近くの人がこの階級になっていた。両班の人口と特典の多さが李氏王朝時代末期の停滞の原因の一つとも言われています。)の村として有名です。住民は、月城孫氏と驪江李氏の2つの家に所属している、同族村です。

韓国には7箇所の国指定伝統文化村がありますが、その中で最大規模でかつ保存状態もよく、風景も美しいことから、もっとも有名な村となりました。

風水に従って谷間に沿って集落が伸びており、日本統治時代に鉄道を通す話が出た時には、風水を悪くする可能性があったため、村の外に作ったそうです。

今でも伝統文化を守った生活が営まれる一方で、世界遺産登録を契機にアクセスが改善され訪問もしやすくなりました。

プサンから慶州へのアクセス

さて、ご紹介が長くなりましたが、プサンから慶州へ移動について。

移動方法は、①バス②国鉄高速鉄道KTX)の3つが基本。

③のKTXは、時間はもっとも短いですが、ホテルから釜山駅が遠いこと、慶州側の駅も市街から少し離れておりアクセスが面倒らしいので、今回はパス。値段も一番高額です。

バスは早くて便利なのですが、景色が味気ないらしく、国鉄は遅いが車窓がきれいらしいです。

今回は、行きは①「バス」、帰りは②「国鉄」の二本立てで移動してみることにします。

※結論から言うと、バスの方が圧倒的に良かったです。早いし、安くて、座席も指定なので利便性を考えるとバス一択です。日が暮れてしまったので、電車の眺めも楽しめませんでしたし。 

まずは釜山のバスターミナルへ。地下鉄1号線の北側の終点、「老圃(ノポ)」駅に隣接しています。市街中心部からだと30分〜40分ぐらいです。

前にご案内した「温泉場」からであれば、すぐそばです。温泉場付近には安いホテルがたくさんあるので、この地区に宿泊するのもオススメです。

 プサン市外バスターミナル

 駅と市外バスターミナルは直結しており、看板に沿っていけば、迷うことなく到着。バスターミナルに入ってすぐ左手にチケットカウンターがあります。

奥側のカウンターで漢字の「慶州」を指差したら、チケットをすぐに売ってくれました。バスが出る場所は番号がついていますので、チケットを購入する時に教えてもらった番号のホームへ。

料金は、4500ウォンでした。たまたまラッキーなカウンターだったのかもしれませんが、日本語も通じましたよ。

まもなく出るので、急いで行くようにせかされます。急げーとばかりに走りだします。

※手前は高速バスのチケットカウンターです。市外バスと高速バスの違いは、許認可庁が異なること、そして市外バスが50キロ程度で複数の停留所がある場合があること、高速バスが100キロ以上で直通という違いがあります。バスのグレードなどはほぼ一緒で差はないそうです。慶州へはどちらのバスも出ていますが、市外バスの方が圧倒的に本数が多いので、市外バスをオススメします。

広大なバスターミナル。延々とバスが停まっています。日本では見ない風景。

 

10分に一本出ているそうなので、時間は確認せずに行きました。子供の日の祝日でしたが、すぐに購入できました。席にもまだまだ空きもあったので、そんなに神経質にならなくても大丈夫かと。

市外バスという名前ですが、いわゆるリムジンバスというか高速バスで、快適です。空港バスをイメージしていただければ、一番ぴったりくると思います。高速バスでないので、しょぼいかと思っていたので、良い意味で予想外でした。

バスはすぐに高速道路へ、1時間ほどで慶州に到着します。

到着先は、慶州市市外バスターミナル。ここから市内バスへ乗り換えをして、仏国寺へ向かいます。ここでトラブルというか、役に立たなかったのが、グーグルマップ。たくさんのバスが行くにも関わらず、滅多に来ないバスしか表示できなかったりと、慶州市内では、ほとんど役に立ちませんでした。

慶州市では、グーグルマップを信じるのは禁物です。韓国はネイバーマップが独占的らしいので、そちらを利用した方がいいかもしれません。行った時は、みんなが並んでいるところに見当をつけて、ついて行くという荒技で乗り切りました。(笑)

関連情報

 チャガルチ駅側の食堂で焼きサバ定食を食べました。新鮮なサバでお味は最高。

 ソウルで日本語の通じるタクシー運転手について行って失敗したというお話

 

【韓国・釜山】釜山北部にある温泉場でバブリーな温泉を満喫

 

釜山タワー周辺の散策を終え、地下鉄1号線へ。

北へ30分ほど行ったところに、「温泉場(オンチョンジャン)」という面白そうな駅名の駅があります。名前の通り、「東莱温泉」という温泉があることからついた駅名です。

韓国の温泉地は、どんな何だろうとワクワク期待しながらの訪問。

歴史ある東莱温泉

訪問の前に、温泉場の歴史を少し。

東莱温泉は、新羅王朝の時代に開かれました。

怪我をした鶴がお湯につかっていた後、怪我がなかったかのように元気に飛んでいきました。それを見ていた、地元の老婆が温泉に入るようになり、温泉として知られるようになったという、開湯伝説が伝わっています。日本の温泉でもありそうな話ですね。

f:id:hino0526:20180621193917j:plain

日本の下呂温泉の開湯伝説も白鷺がお湯に浸かっていたのを見て、温泉が発見されたと伝わっています。

東莱温泉は伝説のとおり、腰痛やリウマチなどに高い効果があると言われています。日本統治時代にはすでに名が知られており、観光客には「かつて日本の人達が一度は入って見たいと思っていた」というキャッチフレーズで日本人に紹介されています。

ちょっと調べたところ、実際に有名だったみたい。

南満州鉄道が昭和14年に作った観光と満州の旅行ガイド「鮮満支旅の栞(しおり)」によると

新羅時代から知られ、朝鮮では第一に指を屈せられる良い温泉である。

釜山の北に12キロ、交通は非常に便利で釜山からは絶えず電車が往来し、一時間ごとに乗合自動車の便もある。

付近には、新羅の名僧「開基」に関わる、南鮮三大名刹の一つで有名な梵魚寺と、新羅善徳王時代に創建されたと讃えられる通慶寺があって、いずれも一日の行楽地としてふさわしく、また背後には金井山の景観もあって無量に苦しむことはない、行楽地の温泉場で、旅客の必ず旅埃を洗う所となっている。

(一部現代語に変換をしています。)

 とたいそう持ち上げられています。

時間の関係で、訪問が叶いませんでしたが、梵魚寺は韓国五大寺の一つとして人々に敬われており、見応えある山寺です。地下鉄1号線の梵魚寺駅から、バスで10分ほど山道を行くことで訪れることができます。

金井山にもロープウェイが設置されており、簡単に登ることができます。山頂には、金井山城という城壁があり、ミニ万里の長城といった様子らしい。温泉場駅からロープウェイまで、歩いて行くことができます。 次に行くことがあれば、釜山で行きたい場所、ナンバー1、2です。

駅前は変哲のない街

さて、現実の街はどうかというと、温泉場の駅を降りても、普通の住宅地のような、なんの変哲もない駅です。おりた瞬間、「温泉〜」という雰囲気を期待していたのでちょっと肩透かし。

駅には、昔の時代のパネルが展示されていました。日本統治時代に「おみやげ」という日本語の看板を掲げたお土産屋の写真などが展示されていました。昔の方が観光地らしい・・。釜山市街地までのアクセスが良いため、宅地化されてしまったのかな。

途中にあった街のパン屋さんで、買ったパンが意外においしかった。(虚心庁の中でパンを売っていた、一瞬買ったことを後悔するほど、何の変哲も無いパン屋さんだったのに!おいしいんです。韓国のパンはバカにできない!)

プサン最大規模の温泉スパ「虚心庁」

私が行った時は、日が暮れていたので、駅のそばにある近代的な温泉スパ、「虚心庁」へ行きました。日本でいう、スーパー銭湯用のような雰囲気です。

虚心庁は、西に徒歩5分ほど歩くだけで簡単に行くことができますが、案内看板がなかったので、地図を用意していくことをオススメします。 

大きな建物で、横にはホテルがついています。日本でいうとちょうどバブルの時に建てたような無駄なゴージャス感、大阪のスパワールドによく似た感じです。

ロビーの写真だけですが、ゴージャス感が伝わって来ますでしょうか。

 

オープン当時は、釜山で最高の設備を誇る温泉施設だったそうです。現在でも規模はトップクラス。3000人が同時に入れるそうで、効能の違う4つの源泉から温泉が供給されています。原泉を4つ使っているのはすごいですね。

浴室は広々としていて、掃除もしっかりと行き届いており快適そのもの。お風呂の説明文書なども日本語表記があり、カウンターでも日本語で説明してもらえました。

熱いお湯からぬるめのお湯、プールに、深い浴槽から半身浴用のお風呂と様々な風呂を楽しめます。露天風呂もありました。

メインの浴室はローマのパンテオンのようになっており、天井の高い開放感のあるお風呂は、部屋に入った途端、広がる景色に「おー」となります。

f:id:hino0526:20180621193844j:plain

料金は8000ウォン(約800円)で、ゴージャスな施設の内容からすればリーズナブル。タオルも貸し出ししてくれます。

土休日は10000ウォン(約1000円)、チムジルバン利用の場合はガウンを借りるのに2000ウォン(約200円)がかかります。チムジルバン利用の場合は、男女教養エリアになるのでガウンのレンタルが必須です。ちなみに、お風呂だけの利用のっ場合は、日本と同じく裸での利用となります。水着は不要です。チムジルバンは、改装されたばかりで新しいそうです。

 

営業時間は、5:30〜24:00(入場は23:30まで)。ガイドブックには、もっと短い時間が書いてありましたのでご注意を。最近長くなったのかな?

結局温泉場らしいところは、見れず

ここだけ行って戻ってしまったので、温泉場らしいとこは、結局何一つ見れませんでした(泣)

奥まで行けば、足湯など温泉らしいところもあるみたいですが・・。

泉質はまあまあかな。日本の人達が一度は入って見たいと思ったのは、ちょっと大げさかも。でも近くにあったら、ちょくちょく行きますね。

釜山からアクセスが良いので、気軽に訪れることができます。日本語も通じるので、旅行初心者にもオススメです。

 

 関連情報 

【韓国・釜山】歴史ある龍頭山公園の散策&カフェ「LE BREAD LAB」で最高のイチゴミルクとブラウニーを

チャガルチ市場から大通りを渡り、コスメショップが並ぶ若者向けの通りへ。
顔パックなどが40枚入りで半額など大きなロットで売っています。
ネイルは1個3000ウォン(300円)が相場と日本よりもかなり安価な値段設定。
買いに来る日本人も多いのでしょうか、どのお店でも一人以上は日本語が通じる店員さんがいます。
中に入って見ていると、しつこくない程度に声をかけてくれます。

顔よりも大きなアイスクリームを売るお店を発見。
f:id:hino0526:20180620210017j:plain
インパクトの強さについつい、財布の紐がゆるみ購入してしまいました。
でも、シャリシャリ気味で味はイマイチ。

市民の憩いの場、龍頭山公園

少し北側に向かうとプサンタワーのある山があります。
横っちょから急な階段を登って、息がゼイゼイになりました。
登ってから、横に山登り用のエスカレーターを見つけてガックシ。
正面から登れば、エスカレーターで楽に山頂まで登れるみたいです。

せっかく上まで来ましたが、プサンタワーとその周辺は現在、改装中。
タワーは残念でしたが、公園自体が山頂のため、釜山の港を一望でき、それなりに眺望が楽しめます。

タワーに登れば、釜山の街を一望できたんだろうなぁ。

丘の上は龍頭山公園(ヨンドゥサン公園)という公園になっており、
市民の寄付でつくられた鐘や韓国伝統の塀などがあります。

日本と関わりの深い、龍頭山公園

公園が作られたのは、日本統治時代の1916年。下が当時の様子です。

李氏朝鮮時代には、倭館という名前の日本人居留地(400人ぐらいの規模で、鎖国中でしたので限られた人々しか行くことができなかったようです。中には神社や交易場などがあったと伝えられています。)が、この場所にあったそうです。山の上のいい場所を割り当ててもらってますねえ。

日本統治時代には、日本支配のシンボル的な活用がなされ、公園として整備されました。巨大な国旗掲揚台や神社が整備されていたそうです。
今では、市民の憩いの場になっていますが、厳しい歴史が裏にあることも忘れてはいけません。
f:id:hino0526:20170521225604j:plain

韓国伝統の塀
鐘からさらに北側へ向かうと様々な種類の(と言っても5種類ほど)韓国の伝統的な塀の作り方が解説付きで展示されています。
塀の中に瓦を埋め込んであるのは強度を増すためらしいです。
なんで瓦で塀を作るのか不思議だったのですが、謎がとけました。
見どころといったら怒られちゃうほど、ささやかな展示ですが、伝統建築に興味のある方は、ぜひ見学してください。

カフェ「LE BREAD LAB」へ

公園の隣に韓国伝統のお茶屋さん「茶山(タザン)」を目指して、訪問してみましたが、あいにくやっておらず。
(ハングルで張り紙がしてあったのですが読めず。ドアの横から覗き見した限り、雰囲気の良さそうなお茶屋さんでした。臨時休業か何かなのかなあ?行けなくて残念です。)
諦めて、隣にあった3階建てのオシャレなカフェに行ってみることに。

「LE BREAD LAB」というお店です。不思議の国のアリスに出て来そうな、ピンク色のキュートな外観。
f:id:hino0526:20180620201203j:plain

イチゴミルクとコーヒー、そしてブラウニーを購入。
イチゴミルクが瓶1本で、こんなに飲めるかなあと、ビクビクしながら、席へ。

牛乳の味もいかしつつ、おいしいイチゴがふんだんに。甘すぎないのも、グッド。
おいしーーー、ではなく、最後まで楽しめる系のおいしさ。2人で取り合いになるほどのおいしさ。
ブラウニーは、しっとりとしていてコクのあるチョコ味、お世辞抜きで最高のお味。
コーヒーも本格的。日本で購入するのと変わりません。
余談ですが、東アジア諸国は、コーヒーが不味い国が多いですよね。韓国はおいしいです。
なんでも販売する量が多いので、躊躇しますが、それに負けずにぜひ買って見てください。

あんまりにも、おいしかったので、イチゴミルクの瓶を記念に持って帰りました(笑)

帰ってから、ネットで調べてみると、名物はオムレットだったようです。
小さなオムレットが箱単位で割安に売っていました。おいしそうだったのですが、バラ売りはしていないようなので、人数がいないときついかも。
地元の人は、半分ぐらい食べて持ち帰っている人もいました(笑)
ソウルにもあるみたいです。(東大邱の新世界百貨店にも入っていました。大きなチェーンみたいです。)
偶然でしたが、人気店に入ることができてラッキー。

その後は、少し東側の、国際市場へ。
懐かしい感じの市場で、卸売半分、小売半分といった雰囲気です。
場所によっては若い人向けの洋服を売る店もあり、歩いて見ているだけでも面白いです。
端っこには食品市場もあり、キムチなどが山のように積まれていました。現地の人も多く訪れており、生活を垣間見ることができます。

簡単な軽食も取れるようになっており、チジミやトッポギなどを売る店もあります。
大流行りだったのが、電球ジュース。少し遅れて、日本でも流行りだしましたが、少し先取りでブームになってました。
f:id:hino0526:20180620205953j:plain
(続く)