【北京】北京大学紅楼の建物を利用した博物館「北京新文化運動記念館」へ(北京旅行記6)
こちらの記事の続きです。
中国美術館から東に進み、五四大街を歩いて景山公園から故宮を見ることにしました。天気もよく、楽しいおさんぽ気分。日本では見かけることのないトロリーバスが走っていました。
ふと、途中に博物館らしい看板が出ています。「北京新文化運動記念館」という博物館みたいです。面白そう。
「免費」の文字に引かれて恐る恐る中に入ろうとすると、門番の方にちゃんと受付で手続きしてから入るようにと怒られました。
門の右手にチケットブースがあるので博物館と同じく、パスポートを見せたらチケットをくれました。
(パスポートの表紙を見せただけでチケットをくれました。これだけでええんかい!)
昔の北京大学の紅楼という建物でした。中国革命の発祥の地の一つとして歴史に名前が何回か出てきます。ここだったんですね。
紅楼の名前の通り、赤レンガでできています。
内部は、昔ながらの大学の建物らしい雰囲気が漂っています。
展示は企画展が中国の知識人に関する展示でした。
(中国にはお金持ちや権力者とは違った知識階級が今でも存在しており、人々の尊敬を集めているらしい。)
中国の教育に関する展示と昔の大学講堂として使用されていた時代を再現した展示がありました。
面白かったのは、教育に関する展示。中華民国時代からの小学校の教科書が展示されていました。偉人のエピソードの教育ビデオも面白かったです。
(字幕つきで簡単な内容なので私にも理解できました。)
魯迅らが関わったとことで有名な「新青年」の雑誌も保管されており、名前のとおり新文化運動に関する展示もありました。
マルクス革命の論理を中国に導入したのは、新文化運動の成果であると言われています。中国の共産主義革命の元を作った活動の一つとして讃えられています。
大学講堂時代を再現した展示室もありました。
かつて、ここで中国共産党誕生の原点になった五四運動がはじまったのみたいです。
五四運動は、ベルサイユ条約(一次世界大戦の降伏条約)の内容に抗議して始まった大衆運動。抗日、反帝国主義を主張して、ストライキなどが行われました。北京大学の学生が中心的な役割を担い、運動が繰り広げられました。首謀者の学生達は政府から逮捕されますが、後の孫文らの運動にも影響を与えました。毛沢東もこの運動の前後にマルクス主義にふれ、共産主義者になったと言われています。ちなみに、毛沢東は学生時代勉強をしながらこの建物でアルバイトをしていたそうです。
(歩いているときは何も思いませんでしたが目の前の五四大街は、五四運動から名づけられたのでしょうか。)
抗議運動のための旗なのでしょうか。
このテーブルで多くの熱い討論がされたのでしょう。
ガイドブックには掲載されていませんが故宮に近く、旅行者にはアクセスしやすい場所にあります。北京美術館や故宮とあわせて訪問してみてはいかがでしょうか。
解説文は中国語がほとんどで英語が少しといった感じですが、再現スペースや展示物も多いので言葉がわからなくても中国の現代史に興味のある人なら楽しめると思います。
建物もレンガ造りで美しく、一見の価値があります。
(続く)
次は、元々の目的地、景山公園を訪れます。
北京新文化運動記念館
北京市五四大街29号
8:30〜16:30(月曜日休館)
関連情報
徒歩5分程度の場所にある美術館です。ちなみに無料。あわせて訪問がおすすめ。また、美術館から東四の駅までは徒歩5分ほどで行くことができます。
長城への訪問記です