秘境駅、小和田駅へ。謎の洞窟も。
飯田線に乗って小和田駅へ
秘境駅として、テレビや雑誌などによく取り上げられ、有名な小和田駅。前から行ってみたいと思いながらも、豊橋から片道2時間近く飯田線に乗らなければならないという、アクセスの困難さのため、訪問の決心がつきませんでした。
青春18切符が1回分残っており、休みも1日空いているということで、この機会に行ってみることにしました。
豊橋から飯田線へ。最初に乗った電車は、豊川稲荷どまりでしたので、乗り換えを兼ねて、お稲荷さんにお参り。
電車の時間の間だけだったので、駆け足での参拝となりましたが、見どころの多そうな神社でした。 お稲荷さんですので、狐さんの石像がたくさんあります。
門前町もレトロでいい雰囲気でした。朝が早くて、お店があんまり開いてなかったのが残念。
もっと時間をとってゆっくりと見てみたかったです。不完全燃焼。
その後に来た電車に乗り換えると、天竜川沿いの美しい渓谷を横にみながら、山奥へと電車は進んでいきます。 ついに、小和田駅へ到着すると、若者を中心に10人ぐらいが「どどどど」と下車。
「ぜんぜん秘境じゃない´・_・`」とちょっぴりがっかり気分。
下車した人たちは、すぐに駅を離れずに駅舎などを撮影したりしていたので、喧噪を後にそそくさと山道へ。昔は軽自動車が通ってたのだろうなと思えるような、歩道にしては立派な道が続きます。電柱も立っており、人里離れた山奥という雰囲気は感じません。
天竜川は、川面がエメラルドグリーンに輝いており、完全にハイキング気分!
少し歩くと民家のある場所へ到着。ここから高瀬橋方面へ進みますが、廃道だけあって道が荒れ果てています。途中には土砂が崩れたらしい場所もあり、恐怖を感じるほどではありませんが、通り抜けるのに少し難儀しました。
ちょっとは、秘境といった感じが出てきたかな。
■高瀬橋への分かれ道
■途中で倒木があったり、土砂崩れしてたりで歩きにくい部分が2、3カ所ありましすが、それ以外は比較的きれいでした。見学に訪れる人が多いのでしょう。
高瀬橋へ向かって廃道を歩む
もともとは、高瀬橋へ向かう道も小さな車両が通れるほどの広さがあったようですが、土砂が崩れており、半分近く埋っているので、今は人が通るのが精一杯というところ。 そろそろ、橋に着くかなと思いながら歩いていると、大きな岩を抜けたところで、唐突に橋の姿が目に入ってきます。
橋の前に木が生い茂ってしまい、朽ちかけた木板が、ロープに釣り下がっているのが、なんとか見えるかなあ、といった状態。 以前から、ネットで高瀬橋の写真を見てもよくわからない、と思っていましたが、実際に現地に行ってもよく見えません。木が伸びてしまって葉っぱで隠れてしまっています。 秋以降なら、葉が落ちて見やすくなるかもしれませんが、冬は雪が降るのでここまで来るのは、非常に困難でしょう。
別の角度から見えないか、あたりを探って見ましたが、横の岩が邪魔して無理でした。岩をよじ登るにも大きすぎますて無理そう。下手に登ったら、降りるときにケガをしそうです。(><)
垂れ下がった木板が静かにたたずんでいるのは、まるで時が止まってしまったかのような不思議な雰囲気でした。 風が強い時の橋も見てみたいですね。あの大きな板が揺れるのでしょうか。
高瀬橋を後にし、いったん塩沢集落と高瀬橋方面の分かれ道まで戻ります。
土砂崩れで崩壊した金網の歩道
塩沢集落へ向かう途中に金網の歩道があるらしいので、それを見るため、塩沢集落へ向けて歩き出します。 約5分ほどで、金網の歩道が見えてきましたが、入口がテープで塞がれています。
老朽化で危険になってしまったのでしょうか。周りを見渡すと真新しそうな下へ降りる階段が整備されています。 金網の歩道が出来る前にあった旧道を再整備したようです。
階段を下りながら進むと金網の歩道が土砂崩れでぐちゃぐちゃに壊れているのが目に入ります。土砂崩れがあったみたいですね。
かなりひどい状況で、復旧にかなり手間がかかりそうです。 もう、復旧せずに新しく整備した道を使うのかもしれません。前後の道と比べると手作り感あふれた簡素な道で、アップダウンが激しく歩きにくいですね。
謎の洞窟
新しい道の途中に丸太を加工したベンチが設置されています。休憩をしようと腰掛けると、後ろに大きな穴が空いているのが目に入りました。
ちょっと凹んでいるだけかな、と思いましたが、よく見ると廃坑らしい。ちょうど、人間が通れるぐらいの洞窟が延々と続いており先がまったく見えません。ゆったりと下り坂になっているのも不気味。
全て手掘りなのでかなり古いものだと思われますが、まったく崩壊はしておらずきれいなもの。今でも通れそうです。この辺りの岩盤が丈夫なのでしょう。
■明るさを最大にしてみました。あまり伝わらないかもしれませんが、斜めに下った洞窟が延々と続いています。底は全く見えませんでした。相当深いと思います。
インターネットで情報を探してみましたがこの洞窟に関する情報は見つけることができませんでした。たぶん廃坑だとはおもうのですが正体がとても気になります。手彫りで、添え木もされていないことからかなり古い時代のものだと思います。
少しすすむと赤色の立派な吊り橋が目に飛び込んでいます。
小和田池池之神社へ
ここで折り返してしまいましたが、もうちょっとすすむと丘の上から高瀬橋を眺めることが出来たみたいです。失敗したなあ。
駅まで戻ると、道しるべがあり、高瀬橋や塩沢集落とは反対の方角に、小和田池之神社があることを示していました。電車まで時間があるので、神社までいってみようとすると、川を超える道がありません…
川の先には、割としっかりした道があるのでなんとか小川を飛び石で超えます。
後は普通の登山道といった雰囲気で、高瀬橋へ向かう道よりも歩きやすいぐらいです。10分ほどで神社に到着。崩れかけた小さなほこらがあります。
あたりに一升瓶が散乱しており、かつては多くの人が訪れていた時代もあったのでしょう。
先にも道がありそうな、なさそうななんともいえない感じ。少し歩いてみましたが100メートルも行かないうちにまもなく道筋もはっきりしなくなっmnたので撤退しました。ここを通るのは、ほぼ不可能ですね。遭難しかねません。
帰ってから国土地理院の地図を見たら、神社から先も、破線(歩道の表記)で道が示されていましたので、やはり道はかつて存在したようです。
神社から戻って駅周辺の廃屋を探索してみます。
駅周辺を探索
製茶工場の跡地やオート三輪の廃車などを見学。
有名な愛のベンチも訪問しました。デザインが古くさく、周囲から浮いていますが、掃除は行き届いており、地元の人が大切に守っていることを感じます。
愛のベンチの横手からもう一つ道が出ているようですが廃道化が著しく、とげのある草まで生えてしまっておりとても歩けたもののでなかったです。
(いちよう、道があったことはわかります。道があったことすらわからない神社の先の道はましですが…通るのはかなり難儀するでしょう。)
木造の趣ある駅舎
最後に駅舎を見てみます。木造の趣きある駅舎。
青春18切符のシーズンだったので人が多くいたのがちょっと残念でした。
10人以上が電車を待っている状態でした。鉄道マニアみたいな人もいましたがそれは少数派で、学生さんが集団でハイキングにでもきたような感じの人が多かったです。テレビや雑誌で取り上げられているだけありますね。
もうちょっと、周りを見ていけばいいのに、駅の周りだけ見て帰ってしまう人が多いのか、そばの山道であった人間の数と、駅で待機している人間の数があまりに違います。せっかく来たなら、そばをいろいろ周ってみたほうが、楽めますよ。
駅の中には周辺案内図がありますが、おおざっぱなのか、詳細なのかよくわからない微妙な地図。 県の境界にあることをPRしたい気持ちはビンビンと伝わってきます。
線路の反対側には使われなくなったホームが残されています。線路も取り外されてしまっていますが、以前は行き違いができたのでしょうか。
実際に行ってみて
天竜川のグリーンに輝く美しい湖面を横目に楽しみながらハイキング気分で、散策ができ、さびれた秘境気分も同時に味わえるスポットです。
駅周辺がちょっと騒がしいのは残念でしたが、それ以外の場所はで人に出会うことは、ほとんどなく静かな時間を自然の中で過ごせました。
2時間ぐらい時間を確保しておいた方がしっかりと楽しめると思いますよ。結構、見所が多いです。
ネットを見ると、雪の中の小和田駅の写真などもあり、それは美しいものでした。また、季節を変えて訪問してみたいですね。
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どこにも行くことができない駅に行きました。秘境駅というよりも孤立駅(笑)