「旅」のことのはぐさ

タイトルの「ことのはぐさ(言の葉ぐさ)」とは話題のことです。旅の話題を幅広く掲載したいと思っています♪

ノンカーイへの寝台列車(タイ東北部・ラオスビエンチャン旅行記3)

「タイの鉄道が時間通りに来るはずない!」と根拠のない思い込みを信じて、出発時間のぎりぎりにホームに着けばいいやと算段。時間調整のために喫茶店でゆっくりとコーヒーブレイク。これが失敗でした。コーヒーは値段が高い上に、いまいち。さらにヨーロッパ系の観光客の軍団が騒いでいて、ちっとも落ち着くことができませんでした。 しかも、床をネズミが走り抜けており、なんか飲むのが気持ち悪くなってしまいました。本当に衛生的に大丈夫なのかな。あそこで食事をする気にはなれないです。

5分前にホームへ入ると、予想に反して電車はすでに入線していました。遅延の表示も出ていないので、定刻どおりに発射する様子。

タイとインドの鉄道は、時間通りに来ないというのは、半ば定説なのかと、噂を信じていましたが、タイに限っては過去のモノになってしまったようです。

アジアらしい高い天井の、行き止まり式のホーム。構内には、車両によって統一感のない、ちぐはぐな編成の鉄道が待っています。座席の車両があったり、個室の寝台があったり、電車に等級があることをありありと感じさせられます。私の乗る2等寝台も高い方に入るんでしょう。

出発までの時間も少ないので、自分の席のある車両まで小走りで移動し、乗車します。 寝台車には、各車両ごとに車掌が付いている様子。いかにも、大陸の鉄道といった雰囲気を感じます。

初めての寝台列車に胸が高鳴り、車両に乗り込みます。乗車した時点では、まだ椅子のまま。車両はちょっと古臭い、昭和チック。外国人観光客が多いですが、3割ぐらいは現地の人らしそうです。

椅子の状態だと、上の段の人と下の段の人が向かい合わなければいけないのが、辛いですね。私の席の相方は、途中から乗ってくるのか、ファランポーン駅では空席でした。途中で椅子を組み替えて、寝台を作ってくれるみたいです。

車内を観察している間に、ベルが鳴り、大きな音を立てて列車が動き出します。

座っていても暇なので、お酒でも飲もうと食堂車を探しに車両を移動しようとすると、車掌さんに待つように指示されます。検札が終わるまでは、席にいないといけない様子。ちょっと怒られちゃいました。 検札が終わると、すぐにベッドをセットしてくれまします。目にも留まらぬ速さで、組み立ててくれます。早速、自分の寝台に荷物を突っ込み、横になってみます。

上の寝台は、車窓が見えない上に、天井の端が丸くなっており、圧迫感があります。どおりで上下の寝台で値段が違うわけだと、納得してしまいました。上の段では、本を読むぐらいしかできません。携帯を使っても充電することができないのも辛いところですね。後は夜とはいえ、初めての土地なので、車窓が見たかった。

トイレは、穴が空いているだけのタイプ。外国では、ときおり見かけるタイプです。そのまま、下に落ちるのはいいのですが、保線の時に嫌じゃないのか、疑問に思うんでんすよね。誰も、保線作業のことなんか、考えないで車両を設計しているのでしょうか。いくら速度が出ていても、落ちているには落ちてるのでしょうから、キツイと思うんですよ。フンコロガシとかが、何とかしてくれるんですかね。

改めて、食堂車を探しに、隣の車両へと移動してみます。こちらは座席タイプの車両です。イスはスペースも広く、クッションも柔らかそうですが、ベッドの横になれるのと比べると辛そう。この車両は灯りがすでに消灯されていたので、そ~っと抜けます。寝台列車に比べると、タイの人が多い感じでした。空席もチラホラ。寝台車ほど人気はないようです。

次の車両は、とドキドキしながら扉を開けるともう食堂車でした。こんなに近い所だったんですね。 赤い布のテーブルクロスがかかっているのですが、少し汚れており期待していた高級感はないですね。優雅にお酒でもといった雰囲気ではありません。

食堂車の中に「よっ!」と言った感じで、挨拶してくる人がいます。誰かと思ったら、私の車両担当の車掌さんでした。ベッドのセットが終わり本日の業務は終了なのかな。笑顔で他の車両の車窓さんたちと雑談していました。さっき検札の前に怒った時の強い顔が嘘のように陽気です。どうやって注文したら良いのかわからないで、オロオロしていると、ウエイトレスを呼んでくれました。

メニューを見ると、あれまあお酒がありません。結構、健全なんですねえ。 仕方がないので、軽い食事を注文しました。予想外においしく、値段もバンコク市内のキレイなレストランで食べるよりも安いぐらいです。 車窓は、灯りがポツリ、ポツリとたまに見えるだけであとは真っ暗。田園が広がっているらしいことが、辛うじて街灯でわかります。途中でアユタヤ駅に停車しましたが、駅のまわりも真っ暗です。

※アルコールを提供していないのには、理由がありました。詳しくは、下の関連記事「タイ国鉄の寝台列車に乗って、バンコクからラオスとの国境の町ノンカーイへ(前編)を参照ください。現在、アルコールの車内への持ち込みは禁止されていますのでご注意ください。

食堂車でもっとのんびりしたかったのですが、午後10時にはクローズするみたいで追い出されてしまいます。次々とテーブルクロスも片付けられはじめ、周りを見ても、私以外にはもう1組しか残っていません。

もう観念して、ベッドへと戻ります。いつの間にか、下の席のカーテンが閉まっています。アユタヤかあたりで乗車されたのでしょう。 列車の中とはいえ、横になって眠れるのはいいですね。すぐに寝りにつくことができました。

(続く)

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